父親は勉強を教えられた方がいいのか?
入試分析会も終わった時期でしょうか?昨年まではサピックスからお知らせを頂戴していましたが、今年はさすがに連絡はない(案内がくるのはY-SAPIX)。少し寂しいですね。きっと入試傾向の変化などをいろいろ分析してくださっていることでしょう。
さて、勉強内容にかかわることは塾にお任せして、ここではサピ親の仕事に直接関わるテーマを提供したいと思います。6年生のお子様をお持ちのご家庭は、お父様を引きずり込むことができたでしょうか?中学受験未経験のお父様は「中受の勉強は教えられない」と、関わることを拒否しているご家庭もあろうか思います。そこで、少しそれに関連した閑談を。(また、父親が受験にかかわることのすばらしさについては、「父親が教えるという提案」も合わせてご参照ください。)
個人的な経験から、中学受験でお子様の勉強効果をあげるために、親がなるべきなのは、「先生ではなく、同級生」というテーマで備忘録を残したいと思います。度たびで恐縮ですが、あくまで私見です。その点、ご了承ください。また、申し訳ないことに文章が長くなってしまいました・・・。そこで、言いたい要点を下に記載しておきました。お時間のない方は下の2行だけお読みください。
・ 父親が出る幕は、半年でも2年でもなく、最後の1年間が丁度良い。
・ 父親が先生である必要は必ずしもない。先生はサピックスにお任せ。親は(たまに)競争相手になればいい。
役割の分担:親が勉強の中身を熟知して、勉強を指導する先生の資質が必要か?
親が子どもの勉強をみるというと、先生として勉強を指導することをイメージすると思います。「やっている内容を詳しく理解していて、指導できる必要がある」と考えがちですが、その必要性は高くないというのが私見です。確かに、勉強内容を詳しく理解しているに越したことはないとは思います。しかし、経験則としてはその必要性は高くありません。サピックスのテキストは詳しい解答があり、解き方まで書いてありますので、それを見て理解できれば十分です。(解き方が同じか違うかは大人なら理解できると思います。)
だから、「役割の分担」をしっかりと親が意識することが重要だと思います。(効率的な解き方などの)勉強の指導は専門家のサピックスの先生にお任せして、お子様特有の不得意の管理や復習の管理をしっかりと行うことが親にとって肝要だと感じます。6年生の夏までに不得意をなくすことが一旦の目標、そして、夏休みの終わりまでに、さらに不得意をなくす完成度を上げて、学校別対策に進んでいきます。(サピックスの先生と話をすると、子供の弱点などもよく理解してくれています。ただし、サピックスの方から、親に積極的には提言しません。悩んだら何でも相談されるとよいと思います。我が家も面談の際には相談いたしました。)
父親の伴走タイミング
6年生のスタート時点から父親が伴走を続けるのが良いのではないかと、勝手ながら提案させていただいております。それは、サピックスでは5年生までに学習範囲を概ね終え、新6年生スタート~夏前に1回目の網羅的な復習があるからです。そして、その後の夏休み約1ヶ月間に再度網羅的な復習があります。ここで完成度を更にあげて、夏休み明け頃には、基礎力においては受験準備が完成した状態にするのが理想形だと思われます。夏以降は、学校別の対策が主になるので、とにかく夏が終わるまでに不得意を(可能なかぎり)なくしておきたいのです。
父親の伴走タイミングを1年くらいがちょうどいいと感じているのは、その2回の網羅的復習に寄り添うことができるからです。親が子供の弱みや強みをしっかりと把握できると思います。(我が家の場合は、父親が伴走を始めたのが6年生の夏前。振り返って本当にぎりぎりだったと感じるタイミングでした。そして、ちょうど夏前の時期が一番酷い状態でしたので、夏休みは「ほかの人の2倍」というスローガンでの自宅学習でした。太郎も大変だったと思います。親も大変でした・・・。)
では逆に、4年生・5年生の時分から伴走した方が良いのではないか?という質問が浮かんでくると思います。確かに合格を考えると有利に働く可能性は高いと思います。しかし、「親と勉強をすることが普通のことのように子どもが誤解する」と個人的には危惧しています。必ずしも良いことではないと思っています。親が受験の1年だけ集中して子どもと付き合うことで、受験生という特殊性と、親が勉強に関わる今の状態が普通の状態ではないことを、子どもが理解すると思うのです。そう、これは親にとっても1年だけの特別な期間です。勿論、考え方は各ご家庭いろいろだと思いますので、参考程度に読み流していただければと思います。
ちなみにですが、中学生になった太郎は、「あれが失敗した。こうすれば良かった。あれが良かった。」などと試行錯誤しながら勝手に勉強をやっています。おかげさまです。太郎には、自分にあった勉強法を自分で編み出してくれることを願っています。
親は先生たるな、同級生たれ
さて、話が少しそれました。話を元に戻したいと思います。親が勉強を見るとき、どう関わるべきか?復習のマネジメントという重要な仕事はありますが、子どもの勉強に接する際に、子どものやる気を上げるという観点から最も効果的だったのは、同じ問題を各々同時に解く競争相手になることだったように思います。
子どもたちは、好きな教科や内容については、(相対論ですが)勝手に勉強してくれます。我が家も然りでした。しかし、問題なのは、興味のない教科や分野に取り組むときです。やっていてもすぐに集中が途切れ、(意識が)どっかに行きます。こういう時は、競争相手になりました。「用意ドン」で一緒に解きました。競争相手がいると自宅での勉強も少し刺激的になり、集中してやり始めます。
子どもの苦手な教科や興味の低い分野ばかりを一緒に解いていると、親も遠い記憶を掘り返しながら自然に解けるようになっていきます。(自分で解き、解答も頻繁に目にするので。面白いことに、逆に子供が得意な分野は親はほとんどやらないので全く理解が進みません・・・。)親にとって、競争相手になるのはそんなに大変なことではないと思います。手間ではありますが・・・。ただし、1つ忠告があります。現役生なんだから、親より早く正確に解くように常に言っておいてください。(親など相手にならない水準を目指したいので!)
また、暗記ものなどのちょっとしたものは、同級生同士がやるようなクイズ形式で出題したりします。暗記ものは時間的な消費を極力減らして、効率的に覚えていきたいので、合間の時間・スキマ時間・おやつの時間を利用してクイズ形式で対応。これも効果的でした。
6年生も中盤~後半になると、とにかく時間を有効に利用したいと考えるようになると思います。少し思い出せる範囲で回想してみましたが、各ご家庭でお子様にあった対処方法を編み出す参考になれば幸いです。良き受験生活を過ごせることをお祈りいたします。
サピ親父