やる気と持続力

梅雨も明けて、夏休みの計画や準備も徐々に本格化していることと思います。夏休みにほぼすべての分野を網羅して、不得意教科や不得意分野を撲滅するのが、夏の間の命題。大変ですが、暑さに負けずに頑張ってください。

夏に向けて、昨年指導しながら感じた2つのことを書きとどめておきます。それは、「やる気」と「持続力」、そのドライビング・ホースは何かということ。特に、昨年わたくしが指導した経験から、親御様が指導するうえで、意識しておいていただきたいと、勝手ながら感じたので、備忘録として記載しておきます。

「やる気」=成績

受けたい学校は自分で決めるのが一番だと個人的には思っています。しかし、お子様が難易度の高い学校に入りたいと決めて高い目標を持ったとしても、それだけでやる気が上がるものではないようです(うちの子だからかもしれませんが・・・。)目標は高くても、くだくだとした生活を送ります。子供ですから、長期的な目標を立てることもできませんので、大人からみると「言っていることとやっていることがちぐはぐ」としか見えない感じです。

しかし、これは子供である以上仕方がないことだと思います。つまり、高い目標を持つことは、子供の「やる気」に直結するものではないと大人が意識する必要があります。では、「やる気」は何で起こるのか?子供の場合、単純に成績です。サピックスの場合毎日に授業で点数がつき、クラスや席順が動きます。そこでの成績が徐々に上がっていくと自然と子供の「やる気」も上がって行きました。

だから、親の指導は重要です。不得意対策等のするべきことを子供には意識させずに(親はかわりにその役割を担う必要があります)、親を信じてやっていれば大丈夫だと、安心して勉強に専念できる環境を親が準備します。また、子どもには、効果はすぐには出ないかもしれないことをはじめから言い聞かせておき、はじめのうちは、やるべきことだけに意識を集中させると良いと思います。

・「習得には個人差があり、すぐにできてしまう人もいれば、何回もやらないとできるようにならない人もいること」

・「(すぐに)できないことが悪いことではなく、できないことができるようになることが良い(成長)ことだと理解させること」

・「できないことができるようになったものの数の多い人が、最後には勝つ」

頑張ってきた成果は、ある時、突然にやってきます。そうして、徐々に成績に結びつき始めることができれば、子供の「やる気」、モチベーションは徐々に向上し始めると思います。

「持続力」=自分で決めた志望校

それではなぜ、志望校を自分の意識で決めさせるのがよいのか?モチベーションが成績で決まってしまうのであれば、「自分で志望校を決める」ことにどのような意味があるのか?という疑問がわくと思います。行きたい学校を自分で決めるというのは、本番までの「持続力」、「継続力」に繋がるのだと思います。

絶対に入りたいという意識は、直前期まで継続的な成長を助ける気がします。辛い時期に前向きに勉強に向かう原動力は自分の行きたい学校の勉強をしているということだろうと思います。過去問を何度も解き直しをしよう、などと自ら考えて継続的に取り組むようになるのは、「自分で決めた志望校」というのが大きく関わっているのではないかと思っています。

相乗効果

この2つの両輪がかみ合って、特に最後の加速力を生むのではないかと感じています。これから登る山のイメージ(成績)は、下図のような感じです。(しばしば、男の子でみられる気がしますが)山頂近くの急激な変化は本当にあると思います。そして、一緒に併走していると親は感動します。(ただし、受験が終わると、もとに戻る傾向がありますが・・・。)

これから登る山についての補足

手間をかけて図を作ったので(笑)、「これから登る山」について補足しておきます。

9月頃の小さな山

8月の学習目標は、図にある9月までの小さな山を形成すること。9月になった時、ひとつ成長したなという達成感を得られるようであれば、良い夏を過ごせた証拠だと思います。まず、親御様は、9月までは全方位で不得意をなくす勉強を意識するとよいと感じます。逆に10~11月頃からは、本番で最高の点数を取ることをお子様に意識させて、問題を捨てる場合もあるということを徐々に教え始めました。

9月以降

お子様にもよると思いますが、これから登る山は富士山のようなきれいな山ではないことがほとんどだと思います。せっかく登ったのに、また、下るのかと思うことも。こんな時も、動揺せずに、「早くに弱点が発見できて良かった」と、前向きに対応するようにこころがけました。谷に落ちても以前よりも高い位置にある谷です、焦らず前を向いていきます。焦りは禁物。

11月後半以降

こどもの成長を見られる時期。図では単調に記載していますが、まだまだ細かい山谷があります。最初の頃は、親の負担も大きいです。しかし、徐々に自分でできることが多くなってきます。

さいごに

記載したのは、昨年、指導した時の個人的な印象をベースに記載しております。当然、お子様によって山のかたちも様々だと思います。個人的な1つの見解としてご理解いただけると幸いです。皆様の感動的な山登りをお祈り申し上げます。

 

サピ親父

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