6年生の一年間の指導概観

そろそろ春期講習が始まるころではないでしょうか?卒業生とは違い忙しい日々をお過ごしのことと思います。本日は6年の1年間の大まかな流れについて書き記しておきます。

サピックスはやり方がわかって慣れてきたと思うと次のステージに進んで今までの方法を改めないといけないということに戸惑うことが多くありました。そこで、大まかな概観、個人的な所感をここで簡単にまとめておきます。合格に向けて参考にしていただけると幸いです。

大別すると、以下の期間で勉強方法が変わっていった個人的な印象ですので、以下の期間に分けて記載します。

・夏休み前まで

・夏休み

・9月~12月

・1月

夏休み前までの期間

サピックスの授業は夏休み前まで、ひととおりの分野の勉強がいったん終わるようです。この期間は、平常授業と土特授業のテキストの復習を中心に家庭での勉強を指導します。子供の指導する上で意識するべき重要な点は、とにかく「不得意な分野をなくす」こと。答えを出すのに要する時間を含めてよく確認し、子供の不得意を1つでも減らすことを意識した方がよい時期です。

「他塾の試験」ですが、この時期の試験は学校別でない汎用的な試験です。学校別とは違いあまり多くを受験する必要はないと思います。「他塾の試験」は1回程度、異なる試験方式になれる程度に受ければ良いと思います。

この時期の重点の置き方: 平常=土特

夏休み

夏期講習期間の夏休みで8月までの全てをもう1周(2周目)するという感じで進みます。ただし、前回までの内容そのままというわけではなく、考え方などが前に進んでいます。そのため、できない分野はお子さんの弱い分野の可能性が高いのでよく注意して観察したいです。勉強の進め方は「夏休み前までの期間」と同様で「不得意分野をなくす」ことが基本だと思います。

その一方で、夏休みには「夏期志錬(夏期志望校錬成特訓)」、「有名中」が始まります。「夏期志錬」はお盆過ぎに始まる志望校別の授業で、9月以降に始まるSS(サンデーサピックス)の前準備のような授業です。「有名中」は、電話帳と呼ばれる分厚い過去問集を用いて、昨年の有名中学の過去問を自宅で解く宿題です。

まず、「夏期志錬」ですが、学校別のテキストを用いて学校別の対策を行います。9月以降に始まる学校別のSS(SSには、学校別のSSのほかに、弱点補強の単科があります)は、9月以降一番重心を置く授業ですので、この時期に「夏期志錬」でしっかりと慣れる必要があります。「夏期志錬」をとおして、「学校別のSS」のやり方を確立する準備を行う感じです。やり方は、夏までと同じで、基本的は何度も何度も復習して解くというやり方で我が家は行いました。

次に、「有名中」です。指定された学校の過去問を解いて、提出するという宿題です。所要時間も指定され、テスト形式で解いたのち、別冊の解答を見ながらノートに直しを記載して、先生にコメントをもらいます。ノートの書き方もSAPIXから指導されますので、それに従います。我が家では、毎日この時間にやると時間を決めて夏休みを過ごしました。そして、この時期に初めて、「時間の使い方」、「(SAPIXでは習わないだろう)テクニック」を含めて受験を意識した指導を始めました。私の指導はスロースタートでしたが、この有名中をやり始めてから子供が大きく伸びた印象があります。

最後に、「他塾の試験」ですが、この時期(夏前ごろ)から塾によっては学校別の試験があります。志望校も固まっていることと思いますので、「学校別の試験」は参加するとよいと思います。

この時期の重点の置き方: 夏期講習 = 夏期試練 > 有名中

9月~12月

この時期からは、志望校別に分かれた「学校別のSS」を中心に回ります。平常授業、土特もこれまでどおりありますが、軸足は「学校別のSS」です。また、この時期から、志望校の「過去問」を解き始めます。

「学校別のSS」、「土特」、「平常」と授業が進みますが、我が家はやり方はあまり変わらず復習中心でやりました。「土特」、「平常」はできなところをピックアップしながら、夏休みまでに比べるとかなり間引いた感じで取り組みました。一方で「学校別のSS」はしっかりとやります。1つ1つがテストとして取り組めるような教材です。また、テキストの数値替えとなる復習テストというプリントも翌週以降に配られます。我が家では、これら2つを何度も何度も解き返しました。

次に、「過去問」についてです。出来の良いお子さんは別ですが、志望校の過去問を解き始めた頃の発展途上の状態では、過去問に打ちのめされると思います。(我が家はそうでした。算数など100点換算で20点というありさまだったと記憶しています。)でも大丈夫です。受験のころには、合格者平均を軽々突破できるほどに成長しますので、解き直しをしっかりやりながら何度も何度も過去問をこなしていってください。「過去問」のノートの書き方についてもSAPIXから指導があると思います。そのやり方で解いて、先生にコメントをいただきます。夏ごろまでは全て解くことを意識していましたが、この時期からはテストで最高の点を取ることを意識させ始めます。「捨て問」、「問題の取捨選択」という考え方や、「途中式の書き方」についてもこの時期に教え始めたよう記憶しています。

また、この時期から、居残り形式で、ツクコマ特訓(算数、国語)が始まります。週に1回の授業で冬季講習の終わりまであります。ツクコマ特訓は成績が基準に満たないと参加を許されなくなりますので、ご注意ください。また、基本的に、開筑灘(開成・筑駒・灘)コースを念頭に設計されているため、他コースからの受講ではやや不利に働く場合があるようです。SAPIXのツクコマ対策はこれだけで十分というほどのがっつりしたものではないかもしれませんが、プリント等はよくできていますので、受講できるように頑張ってください。

最後に、「他塾の試験」についてです。11月ごろまで、各塾で学校別の試験があります。学校別の他塾の試験は極力受けて力試しをしておいた方が良いと思います。しかし、その試験が重なることが結構多くあります。我が家ではそのようなとき、全てに申し込むようにしていました。特にお金を出す試験ですと、受験しなくても後日問題と解答が送られてきます。それらが1月に役立ちますので、受けられる受けられない構わず申し込むくらいの勢いで良いと思います。

この時期の重点の置き方:「学校別のSS」=「過去問」>「平常」=「土特」

1月

最後の1月は、 最終調整です。「学校別のSS」、「過去問」を中心に実践形式で多くをこなします。問題が足りない・・・と思い始めることもあります。我が家では、親がそっくり問題をピックアップして作ったりもしました。そして、この時期はサブマリーン期間ですので、みんながどれくらい伸びているのかわからない不安もあります。が、とにかく、本番をイメージしてむしゃらに取組みます。SAPIXには流していくように言われますが、そんな余裕はありませんでした・・・。「学校別のSS」、「過去問」は何度となく解くので、出題年までわかってしまうほどです。

授業は今まで同じく続いていきます。「平常」、「土特」などもすべて総合演習になっているので、本番に向けて1つ1つ確認します。そして、2月に入ると、あれもう終わり?というくらいあっという間です。

この時期の重点の置き方:「学校別のSS」=「過去問」>「平常」=「土特」

 

乱文にて失礼いたしました。

 

サピ親父

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6年生の一年間の指導概観” に対して4件のコメントがあります。

  1. 井上 明美 より:

    はじめまして。突然のメール、失礼致します。
    いつも、為になるブログを、拝読させて頂いております。小学四年生の女の子がいる母親です。
    娘は、一年生からサピックスに通っています。4年になり、今までと違った、受験に向けた、授業および試験内容のギアチェンジに、やっと慣れてきたところです。
    ところで、まだまだ先の話しですが、試験に向けての「時
    間の使い方」と、「(サピックスでは習わない)テクニック」とは具体的に、どの様なご指導をされたのでしょうか。 娘は、几帳面で真面目で、マイペースな性格なので、捨て問とか時間の使い方とかは、本当に苦手だと思いま
    す。 もちろん、今の学年では、1つ1つ苦手を潰していく事に徹するのみで、今は、時間の感覚などは、少しずつ身につけさせていて、少しずつ改善してきてはいますが、6年
    で急に変われるとは、我が子の場合、思えません。
    もし可能でしたら、まだ先なのですが、6年生の時に、お子様に教えられていた、時間の使い方やテクニックなどを、教えて頂けないでしょうか。少しずつ、今の学年に合わせた形に調節して実践して、6年生時には、スムーズに実行出来ればと、考えております。
    お忙しいところ、お手数おかけいたしますが、ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。

    1. sapioya00001 より:

      コメントありがとうございます。

      ご質問は「時間の使い方」と、「(サピックスでは習わない)テクニック」の2点と思いますが、よろしいでしょうか?

      まず、「(サピックスでは習わない)テクニック」というのは、1点でも高い点を取るために、直前期に受験本番での受験テクニックを教えていたものですので、4年生の今やる必要はないと思います。
      6年生の夏までは、テキストまたはコース内で指導される解き方をしっかりマスターすれば全く問題ないと思いますので、それらを自然に引き出せるように不得意な部分を何度も地道に繰り返すのが一番だと思います。

      捨て問についても、基本的には、受験本番直前期でなければ全問解くことを目指すようにした方が良いと思います。
      本番の試験では、学校によってはかなりの難易度の問題が出ることがあるので、それをうまく回避しながら、心折れずにできる問題に時間を割く必要があります。
      しかし、サピックスの通常の試験はそこまでではないので、全問解くことを前提にしたいです。

      それでも時間が足りないのです・・・ということでのお問い合わせかと思います。
      基本的なことですが、
        ・時間配分(大問1つ何分くらい)と、
        ・どの分野が得意でどの分野が不得意(不得意と意識させるのは良くないので、まだ得意ではない という感じでの表現が良いかと思いますが)かをイメージして解く順番を考える
      ということなら4年生でも実践して良いかもしれません。
      (しかし、本質的には、解くのに時間が要しているということなので、次のお悩みが本質かも知れませんね。)

      「時間の使い方」についてですが、うちの子は逆にせっかちなので、解くスピードは速いのですが、乱雑でしかも長時間集中できない性格でした。
      そのため、時間がかかるのでどうしようかということでの悩みはあまりなかったのですが、解く時間を短くするための対策はやっていました。

      ・(正確性を上げる):基礎を繰り返す
      見直し等に時間がかかっているようなら、正確性を上げていく必要があるかもしれません。正確性を上げるなら、基礎トレのような水準の問題や同じ問題を何度も繰り返すのが良いと思います。同じ問題をやる場合は時間が少しずつ早くなっていることはほめてあげることをお勧めします。受験期の直前期でも正確性を向上させたいのであれば、基礎トレが効果的な印象でした。

      (現在、1年前を思い出しながら、「座るチカラ」というテーマで集中力を持続させる対策を下書きしている途中でして、その内容について頭出し程度に少し記載します。)
      ・(スピードを上げる):目標時間と褒美
      スピードを上げるためには、問題1つ1つに目標時間を与え、目標時間以上早く解く解ければ、その時間に比例して子供が得をするようにしていました。
      我が家の場合はとにかく遊びたいので目標時間より早いと遊びの時間が長くなるような報酬体系を作って、早く解くことにモチベーションを与えました。
      獲得した遊び(自由)時間は貯金制にしていて、いつどのように使ってもいいようにしていました。
      そんな対策をしていると解く時間が早くなり、集中する時間も次第に長くなりました。最後はそんな対策をしなくても自然と集中していました。
      やるときは集中してやって、遊ぶときは遊ぶ(ボーとするときはボーとする)というのをちょっとした仕組みで作っていくと徐々に身に付きました。

      女の子なので、どういう報酬体系が良いのか難しいですが、ちょっとした別のことで早く解くことにモチベーションを与える工夫ができればやってみると良いかもしれません。
      (性格にもよると思いますので、お子様に具体的にこういう方法がベストとは言えず、申し訳ありません。)

      >> 6年で急に変われるとは、思えません
      とのことですが、6年の1年はそれまでの4、5年とは全く違う急成長をします。以前ではできなかったことが急にできるようになると思います。
      4年生でしたら、まだ焦る必要はないと思います。

      お子様の成長を信じて、お子様に合ったマイペース対策を考えてみてください。
      また、ご相談ございましたらご連絡ください。
      親御様が良き伴走ができることを節に願っております。

      サピ親父

  2. Iさん より:

    ご丁寧なご返信、ありがとうございました。 とても参考になりました。特に、獲得した遊び時間を貯金制にするのは、子供のやる気も導き出せそうなので、早速実践してみたいと思います。(今までは、その日限りで、遊び時間を確保させていただけでした)
    これからも、拝読させて頂きたいと思います。

    1. sapioya00001 より:

      もっと良い方法があるのかもしれませんが、ご参考にしていただければ幸いです。
      受験まで長い道のりになりますが、子供の性格を利用しながら上手に並走、頑張ってください。
      ご家族の頑張りをかげながら応援致しております。

      サピ親父

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