6年生のこの時期の土特

東京のサクラも開花しました。もうすぐ春期講習ですね。さて、らびちゃん様より、土特の復習について質問を頂戴しました。ありがとうございます。コメントへの返信で対応するつもりでしたが、書き始めたら長くなってしまったので、記事にしました。 

土特プリントの復習について

6年生の一年間の指導概観では、夏休み前の取り組みについては、ざっくりとしか記載していませんでした。(以下少し雑談が長いので、土特プリントの復習に関する結論だけを読みたい場合は、最後の段落だけをお読みください。)

通常授業は各分野の基本技術を身につける目的があり、土特は演習形式で入試問題に慣れていくという目的があったように思います。新6年生3月の春期講習では、学校名が冠したクラスができますが、(一部を除いて) 基本的には通常授業と同様の成績別クラス分けになっていると思います。まだ学校別対策をするというよりは、基礎固めの時期だからだと思います。らびちゃん様のサピックスの先生のおっしゃるように、この時期は通常授業の復習に注力すれば良いと思います。(注意点は後述します)

太郎が6年生のときだったと思いますが、サピックスの保護者会で「入試問題は出会いが大切」という話を伺いました。適当なタイミング(的確に解ける技術(道具)が備わったタイミング)で入試問題をやらせることが重要で、焦って先んじても逆効果だということです。いずれ、気が付けば入試問題ばっかりをやっているという時期がやって来ます。よって、この時期の土特は可能な範囲で出来るなら、でOKだと思います。

サピックスのむずかしいところですが、その時期その時期で重点を置くもの(テキスト)が変わってきます。そして、その取捨選択も半分親に任されているように思えます・・・。でも、簡単です、サピックスの先生の指示を信じてみてください。保護者会でこの時期は何に重点を置くようにと指示があると思います。個人的な経験からは、今後を含めてサピックスの先生の指示通りにやっていれば全く問題ありません。(何でもかんでもやろうとすると、のちのち間違いなく破綻します。)

ちなみに、(手元のメモによると) 最初に本格的に「入試問題」をガツガツ解き始めるのは5月のGS特訓だと思います。それを境に徐々に入試問題に傾倒していきます。土特での入試問題への取り組みは、順調に行けば、夏休み前ごろにはそこそこ増えているのではないかと思います。そうなっていれば全く問題ないと思います。(たとえそうでなくても大丈夫です。)

この時期(新6年生の春~夏休み前)に重要なのは、とにかく、「こどもの苦手は何か?」を把握すること。苦手なところを見つけて1つ1つ潰すことに専念してください。それが志望校に合格するために一番にやるべきことだとと思います。この時期に、苦手単元を人並み(あるいは他単元並み)、あるいはそれ以上にできれば、後で振り返った時に、あの時期の頑張りが重要だったと感じると思います。

さて、土特の話に戻ります。土特は入試の演習形式になっていますが、この時期はこれらを復習すると時間も労力も相当量必要になります。だから、無理はしない。じゃあ、やらなくていいのか?いや、違うのです。やっていないことを親が手元で管理・記録してください。土特プリントも、通常授業と同じようにエビングハウス的な繰り返し構成になっています。お子様は凄い勢いで入試力がついていきますので、力がついてから後日復習を兼ねてやれば、時間的・労力的なロスが減ります。一方で復習効果は増します。お子様の学力が伴った適当なタイミングで、 復習をやっていないところに戻るのです。それが、「今は無理しなくていい」というサピの先生の言葉であり、「入試問題との出会いを大切にする」という言葉の意味でもあると思います。(これがサピックスの恐ろしいところですよね。結局は、親への負担ですから・・・(笑))

サピックステキスト以外の書籍

基本的にはサピックスのテキストで十分だと考えています。過去のサピックステキストを何度も繰り返し、忘れたころにやらせましたが、苦手な分野(不安を感じる分野)については、理解力をカバーするために単元別の書籍を購入しました。サピックスの先生から夏の課題として出されたので、応用自在は5年生の夏期に中心的に取り組みましたが、それ以外はあくまで補助的な使い方でした。弱点カバーを目的に親が問題を選んで出しました。

サピックス以外の書籍を購入する目的は主に2つでした。1つは、つまずいている範囲の補強用(夏頃までの基礎力の補強)と、もう1つは過去問対策用(9月以降、主に直前期に、問題をつくる・出題するための参考書)。

6年生の春の時期は、苦手分野(単元)の克服に役立つ書籍をお子様に合わせて買われるのが良いと思います。 ここでは、主に夏頃までのもの(基礎力の補強用)を中心に掲載しました。

比較的広範囲の問題集

応用自在: サピックスの指示で5年生夏期に利用。その後6年の初め頃まで。以降は弱点カバー程度で必要な分野を。

特進クラスの算数: 弱点カバーや問題探索に。

中学への算数: 過去数年分(3年程度)揃えました。弱点補強と入試直前期に問題を出すための参考に利用。また、東京出版は中数以外にもステップアップのような中数の別冊本のような書籍を数冊買い、使いました。

単元別

費用も嵩みますし、多くの時間は割けませんので、お子様の弱点に合わせた利用が良いと思います。我が家は、平面図形の基礎で苦労した時期があり、その克服に書籍を利用しました。その時のお子様のつまずき具合に合わせてご検討ください。

図形の必勝手筋: 東京出版。立体が得意で平面が苦手という子供でした(汗)基礎力を付けるためにひと通りやりました。(カード以外ならそれほど時間は要しないです。)ちなみに、動く図形・立体図形編もあります。

でる順過去問 図形合格への304問: 苦手だったので・・・。基礎からやるためのものです。

思考力算数練習張シリーズ: 苦手分野の補強用にはこちらも活用しました。かなり細かに単元設定されているので、不得意分野に合わせてご利用ください。
(低学年~受験まで広範囲にカバーしており、サピックスに比べると平易なため) 基礎的なところからつまずいている様子なら、こちらを利用しました。

グノーブルの中学入試算数難関中合格シリーズ単元別対策本: これも苦手分野をいくつか持っていました。つまずきが浅いレベルならこちらで。ただし、グノーブルの書籍はサピックスのテキストの内容と類似している印象なので、個人的には無理に買う必要はないように思います(サピのテキストで代替は可能なのと、習っていないものをやってしまうリスクも。)。

まとめ

 

6年生春の土特の復習に無理に時間を割く必要はないと思います。らびちゃん様のサピックスの先生のお言葉は、「土特の復習をやらなくていいという意味ではなく、適当な時期(余裕があるとき)まで先伸ばししてください」という意味で解釈してくださって問題ないと思います。その方が、学習が効率的だからです。心配ご無用です。しかし、復習未達の管理だけはしっかりとお願いします。

6年生の春期は弱点補強が第一です。参考書をご検討でしたら、お子様の弱点の補強に役立つもの(ふさわしいもの)をつまずきの深刻度に応じてご検討ください。

(私見かもしれませんが、)算数の場合、理解度の尺度の1つが、解くスピードだと思っています。正確に素早く解けることを目標に、是非頑張ってください。

皆様のご健勝をお祈りいたします。

サピ親父


6年生のこの時期の土特” に対して2件のコメントがあります。

  1. らびちゃん より:

    サピ親父様
    この度はお忙しい所、とても丁寧で具体的なアドバイスを頂きまして本当にありがとうございました。土特プリントの扱い方、大変勉強になりました。やらなくていいではなく「やれる時期が来たらやる」なのですね。登る山があまりにも高く、つい楽な方へと行ってしまいがちでした。タイミングを見ながら取り組んで行きたいと思います。書籍につきましてもありがとうございます。弱点補強として参考にさせて頂きます。我が家では結局一冊全部弱点補強でしたという事にもなりかねませんが。先日の保護者会で、現在は基本概念を学ぶ時期です。理解ができたら物事を抽象化一般化できる事が大切です。そしてそれを問われるのが最難関校だとお話がありました。抽象化させるには個人差があり、ある程度の問題量が必要とのことでしたが、そのようになれるのか大変不安です。先日復習テストがありましたが、求められる力が変わったなと思うテストでした。サピ親父様がblogで書かれていたように振り落とされないようにしっかりと基礎を固め、弱点補強に注力し一歩ずつ前に進んでいきたいと思います。この度は不躾な質問にご丁寧に答えて頂きましてありがとうございました。又質問させて頂く事もあるかもしれませんが、その際はどうぞ宜しくお願い致します。

    1. sapioya00001 より:

      らびちゃん様
      この時期に基本をしっかりやっておけば、実際の受験問題で初見の問題に遭遇しても、頭の中の引き出しから上手に道具を引き出せるようになっていると思います。とにかく今は弱点カバーに専念して、教わった解き方がサラリと出てくる水準を目指して是非頑張ってください。受験問題を解くのが本格化する夏以降になったときに、努力の効果を感じてくると思います。6年生だけでも、同じ分野の学習が何度か繰り返されます。そして、繰り返される度に問われる内容が少しずつ高度化・難化していきます。その中で徐々に知識が固定し、抽象化できるようになると思いますので、焦らずに頑張ってください。このようなサイクルの中で、課題をこなしているうちに、気がつくと高所にたどり着いているのが、この1年の「登山」だと思います。受験までの約1年間大変だと思いますが、力を合わせて是非頑張ってください。陰ながら応援しております。

      サピ親父

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